俺様野郎とパシリなあたし






鳴り響くサイレンと、野次馬達の叫び声。


雨と血の混ざった匂い。


救急車のタンカで、運ばれて行くのは―――――…


「明菜?」


…え?


前から声がして顔を上げると、ちいちゃんが手を振りながら首を傾げていた。


「どうしたの?ボケーッとして…」


「う、ううん。別に…」


急いで笑顔を作ったけれど…。


どうしよ、あたしちゃんと笑えてたかな?






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