俺様野郎とパシリなあたし






この温かい手の平は一体誰なのかなんて、聞かなくても分かってしまう。


だからこそビックリして、息をすることさえ困難に感じる。


少し荒っぽく撫でるこの手に、安心してしまうのはどうしてだろう?


心臓が速く波打っているのはどうしてだろう?


あたしがその感情に気付く前に離れてしまった手。


なんだか怖くて、目を開けることはできなかったけど…


遠ざかる足音で、蓮が離れたのが分かった。







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