俺様野郎とパシリなあたし






…暗くてよく見えない。


ぼんやりと浮かぶ人影に、 軽く冷や汗が出る。


…まさか、幽霊じゃないよね?


現実離れした考えが、ふと頭をよぎる。


と、その時だ。


―――ガタンッ


「いっ…!」


いきなり足の小指を襲った激痛に、声にならない悲鳴を上げた。


じんじんと痛む小指に、泣きそうになる。


あたしは小指を摩ると共に、側にあった柱を睨んだ。






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