俺様野郎とパシリなあたし






両手で包み込むように持つ。


そのまま視線を移すと、蓮は少し驚いたように表情を変えた。


「明菜、手ぇちっせーな!」


「あ、ちょっと!」


今まさに口を付けようとしていたマグカップから、無理矢理手を剥がされる。


…飲めないじゃんか。


頬を膨らませるあたしに対して、蓮は珍しい物でも見るかのよう。


あたしと自分の手を比較しながら、目を真ん丸にさせた。







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