俺様野郎とパシリなあたし






そう、どうやら“水沢”と連呼していたのは担任のようで…


目の前に立つ担任は、教科書を丸めて怒りをあらわにしていた。


だけど、今まで夢の中にいたあたしの頭は、そんなに上手く働かない。


「あんたじゃないんだってば…」


と、無意識に呟いたあたしは、もう一度俯き目を閉じる。


―――スパコーン!


しかし、そんなあたしの後頭部を、容赦なく教科書がたたき付けた。






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