俺様野郎とパシリなあたし






あたしはこの時、過去と今を重ねてしまっていた。


救えなかった大切な人を、心の痛みと共に思い出しながら…。


「もう、会えなくなる。自分の大切な人とも…」


「……」


目の前が、ゆらゆらと歪んで見える。


「それに、残された人達はどうなるの?自分は死んで、はいサヨナラって、残された人の悲しみはどうなるの?」


目の前に映る透明な雫は、形を変えながらどんどん大きくなる。





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