俺様野郎とパシリなあたし






「甘ったれんな」


あたしが出したその言葉に、彼女がピクッと震えた。


「自分の中だけで完結すんな。死んだら終わりとか思うな。あんたが死んでもまた始まる。人の心ん中であんたは生き続けるんだよ…」


…そう、あたしの心の中でまだ生きているように。


「なっ!」


あたしが言い終わった時だった。


フェンスから体を乗り出した、ガタイの良い体育の先生が、彼女の腕を掴んだ。






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