俺様野郎とパシリなあたし






だけどあたしの内心を知らない蓮は、そんな事知らずに質問を続ける。


「じゃあ、何で泣いた?」


その見透かすような鋭い目が、あたしの心を揺るがす。


蓮はなぜか真剣で、もうあたしが嘘を並べるのも難しい。


「わかんないよ、そんなの…」


答えに詰まったあたしは、曖昧に答えて俯くしかない。


だけど容赦ないこの男は、俯くあたしの顎を持ち上げ…


「言えよ」


いつもの俺様な蓮が姿を表す。







< 557 / 769 >

この作品をシェア

pagetop