俺様野郎とパシリなあたし






蓮の不機嫌な顔にわけ分からず首を傾げると、


「無理、俺が連れてく」


再び優悟の声が落とされた。


無理って、あたしが無理。


まず、この視線に堪えられない。


あたしは周りを見渡すと、


「せめておんぶにして…」


額を押さえ、そう言った。


優悟は背中にあたしを移すと、視線を集めたまま体育館を歩き出す。


その横顔は全然気にしてない様子で、本当におめでたい奴だと思った。






< 574 / 769 >

この作品をシェア

pagetop