俺様野郎とパシリなあたし





いつになく真剣なその瞳はどこか悲しそうで…


「その話を聞いた時、優悟と一緒に族から足洗った」


「……っ…」


「こんな事に何で命賭けてんだろうって、バカらしくなって」


鼻で笑い、そんな蓮を見て零れた涙を、蓮はそっと親指で拭った。


あたし達は、顔を合わせる事は無かったけれど…過去の細い糸で関わっていた。


あたし達に起きた事故で、蓮の運命が変わったのかと思うと、少し複雑な気分になった。





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