俺様野郎とパシリなあたし
蓮の顔が近づいて来ると共に目をぎゅっと閉じたのは、この先が予想できたから。
心拍数が上がる中、蓮の手が後頭部に回って、静かに唇が重なる。
…やっぱり、蓮はズルイ。
久しぶりにされたキスは、自分でも驚くほど素直に受け入れていて、同時にあたしを困惑させた。
そんなあたし達を見ていたのは、ゲージの中から小さい手を出すアンだけ。
「にゃぁー」…と、それまで黙っていたアンが、鳴き声を響かせた。