俺様野郎とパシリなあたし
「そして、俺は何でもお礼するって言ったお前にキスをした」
そう、あの時の事は忘れられそうにない。
あたしと蓮の出会いは、とっても衝撃的で。
あの日から、色あせていたあたしの毎日は色づいて、刺激的だった。
だけどそれは蓮がいるからであって、もうこんな日々は蓮がいないと成立しなくなっていた。
「そのキスが一回目のお礼だった」
蓮の声にハッとして顔を上げると、彼は嬉しそうに笑い、白い歯を見せた。