俺様野郎とパシリなあたし






目の前で叫ぶちいちゃんに目を奪われると同時に、頭に鈍い痛みが走った。


「あんたは何でそんなに鈍感なわけ?」


怒り顔から飽きれ顔へと表情を変えたちいちゃんに、


「殴んないでよ。暴力反対!」


「誰が暴力女だって?」


「そ、そこまで言ってな…」


文句を言ったら、またちいちゃんのスーパー鉄拳があたしの脳天を直撃した。


弁解しようとしたあたしの声も、鬼のちいちゃんを目の前だと全く無意味に等しかった。





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