俺様野郎とパシリなあたし
数時間前に言われた言葉が、まだ嘘みたいに感じる。
あれから蓮とは顔を合わせてないけれど、今度会ったら表情に困ってしまうんじゃないか、と一抹の不安を抱いていた。
…そしてそれは、翌朝やっぱり現実になってしまった。
「あ!朝寝坊が来た!」
「トモ、朝からうるせぇ」
少し低く教室に響いた声が耳に届き、思わずビクッと反応してしまった。
それはすぐに蓮だと分かったからで、あたしの心拍数は異常な程に増えたんだと思う。