俺様野郎とパシリなあたし






蓮が、他の女の子と抱き着いている所を初めて見た。


正確に言えば抱き着かれてるんだけど、でもあたしの心を乱すのには十分だった。


体が見ることを拒否したのか、頭が信号を送る前に背中を向け、しゃがんだあたしに、


「あーちゃん…」


優悟の寂しそうな声が届く。


でもそれは一瞬の事で、すぐに強く握った拳から、ギチギチと音が鳴りそうだった。






< 725 / 769 >

この作品をシェア

pagetop