俺様野郎とパシリなあたし
3.バカ野郎
「はぁ…っ」
下駄箱をすぎ、靴を履き変えて少し走った所で、あたしは膝に手を起き立ち止まった。
乱れる息を抑え、何度か息を飲み込む。
苦しいのは走ったからだけじゃない。
蓮の想いで…胸が痛いから。
「…っ……」
あたしはもう一度足を踏み出すと、門の近くに見えた足長野郎に向かって駆け出した。
相変わらず歩く後ろ姿まで偉そうで、少し笑いそうになるのを抑え…
「待てこら、バカ蓮!」
叫んだあたしの声に、振り返った蓮の姿に……涙が溢れた。