副社長には内緒☆番外編☆
だから今日この場できちんと言うつもりだったんだよ。香織がどれだけ大切かを。
なんでこんな雰囲気のいいレストランを予約をして、昨日の夜には告白のイメージもガラにもなくして、今日だって緊張して……。それでも楽しくて……。
フッと目を逸らした香織になぜかイラっとしてしまう。
しかし、瞳に涙の溜まってきた香織を見て、無意識に自分の胸に押しやっていた

香織の体がビクッと固まったのがわかったが、そんな事はお構いなしに俺は香織を抱きしめた。

香織の耳元に唇を寄せると、そっと囁くように言葉を発していた。
「香織、俺は香織が好きだよ。だから俺と付き合って」
そっと、腕の中の香織を見ると、目に溜まっていた涙がポロッと零れ落ちた。
「ダメ?」
不安になり静かに尋ねると、香織はブンブンと首を振った。
「弘樹君はとっても大人で、私なんかに本気になってくれてるのか不安で仕方なかった。だから、いつも大人っぽくしなきゃって思って一生懸命だったの。ナンパもされたら少しは私も魅力があるって思ってくれるかと思って……」

初めて聞く香織の本音に、俺は心底ホッとするとともに、「バカだな……」と香織の涙を拭うと、髪を撫でた。
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