副社長には内緒☆番外編☆
それを合図に、グイッと腕を引かれクルット体制を変えられ、今度は私が壁に押し付けられた。
「弘樹く……っんん!!」
何?と思い呼びかけた私の声は、あっさりと弘樹君の唇で塞がれた。
さっきの私のキスなんかとは全く違う、初めて見せた弘樹君の熱を帯びたキスに今度は私が驚いて、弘樹君の胸を押した。
そんな私の両腕を軽々と弘樹君は片手で、私の頭の上で押さえると、容赦なく唇を割って口内に舌を這わせてきた。
息もままならないキスに、涙が更に流れる。
激しく舌を絡めとられ、声が漏れた。

ようやく離れた弘樹君は、初めて見る男の人の顔だった。
色気とも、欲情とも区別のつかないその顔を、私はただ息を整えながら見上げた。
ペロッと私の涙を舐め上げ、そのまま自分の唇を舐めた弘樹君に、自分の体が熱を帯びるのを感じてゾクッとした。
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