副社長には内緒☆番外編☆
自分から仕掛けたはずなのに、もう私からはなす術がなく、ただ弘樹君を見つめる事しかできない私に、
「香織が悪い。大切だから、好きだから大切にしようと思ってきたけど、もう我慢しない」
そこで視線が外れて、弘樹君の吐息を耳元で感じた。

「黙って俺に抱かれて」
「……っ!」
その破壊的な言葉に、私の心臓は壊れるのではないかと思うほど激しく音を立てる。
そんなことなど構うことなく、ふわっと抱き上げられ初めて入る寝室へと運ばれた。
ただ、私は弘樹君の首にギュッとしがみついた。

ダブルサイズの大きなベッドに、少し乱暴に下ろされて弘樹君に見下ろされる。

「香織、もう不安になんてさせない。不安にさせないぐらい愛すから覚悟して。香織も同じ気持ちだって思っていい?」
その言葉に私はただ頷いた。

「弘樹君……好きなの……」
キスの合間に呟いた私に、
「俺も好きだよ。初めて会った時よりずっと今の香織が好きだよ」
その言葉に私は安堵し、また涙が零れた。

耳を甘噛みされ、首元に熱い弘樹君の唇を感じ、あっと言う間にワンピースは脱がされ素肌に弘樹君の手の熱さを感じた。

「香織、無理に大人になろうなんて思うなよ。今の香織が俺は好きなんだから。我慢しないで。どんな我儘も、不安も受け止めるから」

その言葉に涙がまた溢れた。

そして全身にキスが降り注ぎ、私はただ与えられる快感に震えて弘樹君の頭を抱きしめた。


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