副社長には内緒☆番外編☆
まだ、早い心臓の音が聞こえる。
やっとの思いで隣の誠に声を掛けた。

「やたら綺麗な子だったな」

「ああ。てっきりナンパかと思ったよ。」
クスクス笑いながら言った誠に、

「お前最近彼女は？特定の女作ってるのか？」
俺は唐突に誠に聞いていた。

「まさか。」
その答えを聞いて俺は彼女に声を掛ける事に決めた。

「なあ、じゃあ少し気晴らしにさっきの子に声かけないか？」
俺が声をかけると言ったことに、幾分驚いた表情を誠は見せたがニヤリと笑うと頷いた。

それは久しぶりに俺に訪れた恋に落ちる瞬間だったと思う。

友人の莉乃ちゃんという、これまた驚いたが誠の知り合いの女の子と一緒に来ていたその彼女は、浅野香織ちゃんという名前だった。
「客室乗務員をしていて、いつも休みは不定期なの」そう言った彼女に、俺は必死になって次会う約束をしようとしていた。
こんなに必死に女の子を口説くなんて今までにあったか？
そう思いながらも、俺はなぜかこの時を逃したらきっと後悔する。
そんな思いでいっぱいだった。
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