副社長には内緒☆番外編☆
さっきだって……。
本当はわかっていた。
副社長がどれだけ水川さんを好きなのかなんて。
これだけ長い間、副社長を見てきたんだから、彼の纏っている空気が柔らかく優しい物に変わった事なんてすぐに気づいた。

そして水川さんを見る瞳も。

それが悔しくて……。

『ねぇ、副社長が東洋商事のご令嬢とお見合いするってホント?』

『あら、秘書のあなたも知らなかったの。あんな風に助けてもらって、噂にまでなってたからてっきり知ってるものだと思ってたわ。』

こんな話私から聞きたかった訳ないのに。
私があんな言葉を掛ける資格なんてないのに。

きっと水川さんだっていろいろ悩みながら、あの副社長とつきあってるのだろうに……。
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