副社長には内緒☆番外編☆
「誠」
「ん?何?集中しろよ……」
そう言いながら、莉乃の服を脱がしにかかっていた誠は、小さくため息をついた。
「お姫様のお目覚めか……」
ぼそりと残念そうに言った誠を見て、莉乃はベッドから起き上がろうとした。
そんな莉乃を制止すると、誠はチュっとリップ音を立てて莉乃にキスをすると、さっと起き上がった。
「日葵、おはよう。俺のお姫様。ご機嫌はどうだ?」
もうすぐ1歳になる日葵は莉乃たちの隣に置かれた、ベビーベッドでにこにこ笑いなが2人を見ていた。
そんな日葵を愛し気に抱き上げる誠に、莉乃は幸せな気分になる。
「さあ、ママも起きてご飯の準備しようかな」
そう言いながら、莉乃も起きると、誠にだっこされてにこにこしている日葵の頬を撫でた。
「日葵はパパと一緒にいような。今日はパパお休みだから日葵とずっと一緒だぞ」
相変わらず誠は忙しい。
副社長としての仕事はもちろん、いまでも開発に携わることもある。
週休2日休みがきちんとあるという事は、まずなく日葵が生まれて莉乃が産休に入っている間は、家族の時間はもちろん2人の時間を取ることは難しくなっていた。