こちら妙石高校恋愛部!!
──────プラトンの恋歌(こっか)─────
?「こ……こんにちは?」
蜜色「あれ?プラトンじゃん」
花織「ぷらとん……? あの、 私、 双鷹 花織(そうよう はなり)っていいます」
蜜色「うん知ってる。 たしか、 光聖中学出身で同中学出身の羽和刃(はわ やいば)くんにずっと片思いし続けて3年、 つい数か月前に彼から告白してくれて、 晴れてカップルになった彼女さんだよね」
花織「へぁぁ!?なんで知ってるの!」
恋「蜜色はこの妙石高校の情報なら大抵しってるからよ」
愛音「在校生1000人を超える超マンモス高校なのにね」
蜜色「多分、 全校生徒を把握してるのは学校中でもウチとソクラテス生徒会長とドラえもんくらいかなぁ」
恋「保健室の先生のことでしょ」
愛音「あのちょっと怖い先生ね~」
花織「あー、 『王権』先生……って違います。 話が逸れてます。 私の相談に乗ってほしいんです」
蜜色「早い話が『素直になれなくってどうしよう』って相談じゃない?」
花織「なっなぜそれを!」
愛音「蜜色ちゃんがエッチな話じゃないことを真面目に……」
恋「愛音、 蜜色のことをただの変態だとおもってるの? 蜜色って普段は変態だけど、 運動神経抜群かつ情報収集能力逸脱及び成績優秀者なのよ……」
愛音「実はすごい子なのねぇ……」
蜜色「そうなんですよぅ愛音パイセン。 実はウチけっこう有名人なんですよぅ」
花織「蜜色さんのことは知りませんが、 日進先輩と豊田先輩のことは知ってます。 相談よろしくお願いします」
蜜色「」
恋「……そ、 それで相談は『素直になれない』だったわね。 具体的にどういう状況なの? さっきの蜜色の話だと、 彼氏さんと大恋愛の末に交際できているのだから、 とてもいい状況だとおもうけれど」
愛音「付き合ってから3か月くらいはラブラブになるわよね」
花織「そ……そんな……。 私、 刃くんのことずっと好きで好きでどうしようもなくて、 告白してくれた時すっごくうれしかったんですけど、 いざ付き合うと何していいんだか分からなくなっちゃって……」
恋「ふうん」
愛音「あ~」
花織「デートも何回かしてるんですけど、 緊張のせいでどうしても会話が上手くいかないんです」
恋「ふむふむ」
愛音「具体的にどういう風に会話が上手くいかないのか教えてもらって大丈夫かな?」
花織「はい。 なんか『自分を作っちゃう』っていうか、 『こんなの自分じゃないのに』みたいなことを言っちゃうんです。 例えば、 本当はアニメ映画が好きなのに恋愛映画の方が好きって言っちゃったり、 本当はカラオケでアニソンとかボカロとか歌いたいのに、 人気の曲ばかり歌っちゃったり……」
蜜色「プラトンだもんね」
愛音「さっきも気になったんだけど、 プラトンって誰なのかな」
恋「ソクラテスと同じ時代に生きた哲学者よ。 イデア界っていう現実世界とはちがう『真の世界』があると信じていた人。 ……ああ、 だから蜜色。 あだ名をプラトンにしたってわけね」
蜜色「……」
愛音「?」
花織「?」
恋「蜜色はね、 花織。 『作っちゃうあなた』なんて存在しないって言いたくてあだ名をプラトンにしているってことよ」
花織「よくわかりません」
恋「花織はアニメが好きなのよね。 そしてそれを彼に知られるのが怖いって思ってる」
花織「別にこわいってわけじゃ」
恋「ちがうわ。 あなたは『本当の自分』を出すことを怖がっているの。 それと同時に彼と一緒に居るときの自分を『本当の自分じゃない』って言い訳にして逃げてる」
花織「ちが……そんなつもりは」
恋「でもそうでしょ」
愛音「恋ちゃん、 ちょっとストップだよ。 少し、 問い詰めるようになっちゃってるから」
恋「あ……」
愛音「ごめんね、 花織ちゃん」
花織「ああ、 いえ……その」
愛音「恋ちゃんはね。 『弱い自分から逃げないで』って言いたいの。 大好きな人に嫌われるかもしれないって怖さはとってもよくわかるわ。 それに『好きな人の前では一番いい自分でいたい』って思う気持ちも、 それと同じくらい『本当の自分をみてもらいたい』って気持ちもよくわかる」
花織「……」
愛音「でもね、 『彼の前でアニメ映画を択べない自分』も『アニメの曲が歌えない自分』も花織ちゃんの1つの側面なんだよ。 それを「こんなのは私じゃなく、 本当の私はもっと別にある」って思ってちゃ、 きっとその『素直になれない気持ち』はずっと治らないと思うの」
恋・蜜色「……」
愛音「相談は『素直になりたい』だったよね。 だったら、 まずは『自分』を見つめなおすことが大事なんだよ。 『できない』とか『やれない』も、 『自分』って認めてあげること。 そして「私はこういう側面もあるんだよ?」って彼に見てもらうの」
花織「あっ……」
愛音「それがいいんじゃないかな?」
恋「愛音に全部いわれちゃった」
蜜色「愛音パイセンすげぇ。 さすが既婚者、 経験値がダンチだぜぇ」
愛音「ね?恋ちゃん、 蜜色ちゃん」
恋「ええ、 そうね。 ごめんね花織。 強く言い過ぎたみたいで」
花織「いえ!そんな!私のほうこそ、 すみませんでした」
愛音「ふふ。 だからね、 緊張してもいいんだよ? 彼の前で素直になれなくても、 『素直になりたい』って気持ちをもってたらね。 彼の前でだけ出てきた一面だって花織ちゃんのもつ1つの性格なんだから。 それを『自分』って認めることができたら、 すぐに緊張しなくなるものなんだよ」
花織「はい!ありがとうございました!」
恋「……今回はあたしの出番が少なかったわ」
蜜色「ウチも少なかったぁ」
蜜色(……あぶねぇ。 あだ名でつけてた『プラトン』って、 実はプラトンが中学生の時にTHE・厨二病だったからふざけて付けたって言わなくてよかった。 ぶちょーが相談内容と合致させて解釈してくれて助かったぁ)
?「こ……こんにちは?」
蜜色「あれ?プラトンじゃん」
花織「ぷらとん……? あの、 私、 双鷹 花織(そうよう はなり)っていいます」
蜜色「うん知ってる。 たしか、 光聖中学出身で同中学出身の羽和刃(はわ やいば)くんにずっと片思いし続けて3年、 つい数か月前に彼から告白してくれて、 晴れてカップルになった彼女さんだよね」
花織「へぁぁ!?なんで知ってるの!」
恋「蜜色はこの妙石高校の情報なら大抵しってるからよ」
愛音「在校生1000人を超える超マンモス高校なのにね」
蜜色「多分、 全校生徒を把握してるのは学校中でもウチとソクラテス生徒会長とドラえもんくらいかなぁ」
恋「保健室の先生のことでしょ」
愛音「あのちょっと怖い先生ね~」
花織「あー、 『王権』先生……って違います。 話が逸れてます。 私の相談に乗ってほしいんです」
蜜色「早い話が『素直になれなくってどうしよう』って相談じゃない?」
花織「なっなぜそれを!」
愛音「蜜色ちゃんがエッチな話じゃないことを真面目に……」
恋「愛音、 蜜色のことをただの変態だとおもってるの? 蜜色って普段は変態だけど、 運動神経抜群かつ情報収集能力逸脱及び成績優秀者なのよ……」
愛音「実はすごい子なのねぇ……」
蜜色「そうなんですよぅ愛音パイセン。 実はウチけっこう有名人なんですよぅ」
花織「蜜色さんのことは知りませんが、 日進先輩と豊田先輩のことは知ってます。 相談よろしくお願いします」
蜜色「」
恋「……そ、 それで相談は『素直になれない』だったわね。 具体的にどういう状況なの? さっきの蜜色の話だと、 彼氏さんと大恋愛の末に交際できているのだから、 とてもいい状況だとおもうけれど」
愛音「付き合ってから3か月くらいはラブラブになるわよね」
花織「そ……そんな……。 私、 刃くんのことずっと好きで好きでどうしようもなくて、 告白してくれた時すっごくうれしかったんですけど、 いざ付き合うと何していいんだか分からなくなっちゃって……」
恋「ふうん」
愛音「あ~」
花織「デートも何回かしてるんですけど、 緊張のせいでどうしても会話が上手くいかないんです」
恋「ふむふむ」
愛音「具体的にどういう風に会話が上手くいかないのか教えてもらって大丈夫かな?」
花織「はい。 なんか『自分を作っちゃう』っていうか、 『こんなの自分じゃないのに』みたいなことを言っちゃうんです。 例えば、 本当はアニメ映画が好きなのに恋愛映画の方が好きって言っちゃったり、 本当はカラオケでアニソンとかボカロとか歌いたいのに、 人気の曲ばかり歌っちゃったり……」
蜜色「プラトンだもんね」
愛音「さっきも気になったんだけど、 プラトンって誰なのかな」
恋「ソクラテスと同じ時代に生きた哲学者よ。 イデア界っていう現実世界とはちがう『真の世界』があると信じていた人。 ……ああ、 だから蜜色。 あだ名をプラトンにしたってわけね」
蜜色「……」
愛音「?」
花織「?」
恋「蜜色はね、 花織。 『作っちゃうあなた』なんて存在しないって言いたくてあだ名をプラトンにしているってことよ」
花織「よくわかりません」
恋「花織はアニメが好きなのよね。 そしてそれを彼に知られるのが怖いって思ってる」
花織「別にこわいってわけじゃ」
恋「ちがうわ。 あなたは『本当の自分』を出すことを怖がっているの。 それと同時に彼と一緒に居るときの自分を『本当の自分じゃない』って言い訳にして逃げてる」
花織「ちが……そんなつもりは」
恋「でもそうでしょ」
愛音「恋ちゃん、 ちょっとストップだよ。 少し、 問い詰めるようになっちゃってるから」
恋「あ……」
愛音「ごめんね、 花織ちゃん」
花織「ああ、 いえ……その」
愛音「恋ちゃんはね。 『弱い自分から逃げないで』って言いたいの。 大好きな人に嫌われるかもしれないって怖さはとってもよくわかるわ。 それに『好きな人の前では一番いい自分でいたい』って思う気持ちも、 それと同じくらい『本当の自分をみてもらいたい』って気持ちもよくわかる」
花織「……」
愛音「でもね、 『彼の前でアニメ映画を択べない自分』も『アニメの曲が歌えない自分』も花織ちゃんの1つの側面なんだよ。 それを「こんなのは私じゃなく、 本当の私はもっと別にある」って思ってちゃ、 きっとその『素直になれない気持ち』はずっと治らないと思うの」
恋・蜜色「……」
愛音「相談は『素直になりたい』だったよね。 だったら、 まずは『自分』を見つめなおすことが大事なんだよ。 『できない』とか『やれない』も、 『自分』って認めてあげること。 そして「私はこういう側面もあるんだよ?」って彼に見てもらうの」
花織「あっ……」
愛音「それがいいんじゃないかな?」
恋「愛音に全部いわれちゃった」
蜜色「愛音パイセンすげぇ。 さすが既婚者、 経験値がダンチだぜぇ」
愛音「ね?恋ちゃん、 蜜色ちゃん」
恋「ええ、 そうね。 ごめんね花織。 強く言い過ぎたみたいで」
花織「いえ!そんな!私のほうこそ、 すみませんでした」
愛音「ふふ。 だからね、 緊張してもいいんだよ? 彼の前で素直になれなくても、 『素直になりたい』って気持ちをもってたらね。 彼の前でだけ出てきた一面だって花織ちゃんのもつ1つの性格なんだから。 それを『自分』って認めることができたら、 すぐに緊張しなくなるものなんだよ」
花織「はい!ありがとうございました!」
恋「……今回はあたしの出番が少なかったわ」
蜜色「ウチも少なかったぁ」
蜜色(……あぶねぇ。 あだ名でつけてた『プラトン』って、 実はプラトンが中学生の時にTHE・厨二病だったからふざけて付けたって言わなくてよかった。 ぶちょーが相談内容と合致させて解釈してくれて助かったぁ)