そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「アイツはいったい何がしたかったんや」
「ほんとそれ」
小さくなっていく後ろ姿。
相変わらずのナツに、あたしたちはクスクス笑う。
これにてケンカ終了。
〝何それ〟って思われるかもしれないけど。
あたしとコイツは、いっつもそうなんだ。
すぐにケンカして。
でも、
今みたいに、いつの間にか元通りに戻ってる。
そんな、不思議な関係。
だけど……。
いつまでもそれでいいのか。
最近、少し悩みはじめている。
鈍感で、口が悪くて、意地悪で。
だけど、ときどき優しい。
そんな怜佑のことがあたし……。
ホントはずっと、
好きなんだもん。
「俺らもそろそろ帰ろか」
「そだね」