そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
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辺りはすっかり暗くなっていた。
家に帰ると、リビングにいたお母さんが「ほんと仲良しねー」なんて、頬を緩めながら言ってきた。
あたしと怜佑のことだ。
ついさっきまで、滝川家にいたあたし。
『俺ん家寄ってけや』
怜佑がそう言ったから。
あ……別に、深い意味とか、そういうロマンチックな意味とかは一切なくて。
アイツがそう言ってきたのは、あくまでケーキを食べるため。
悲しいけど、アイツにとってあたしは、言葉通り“ただの幼なじみ”なんだ。
怜佑の部屋でケーキを食べて、ついでに宿題もした。
おいしかったなあ……。
モンブランもショートケーキも、どっちも最高だった。
でも強いて言えば、あたしはモンブラン派、かな?
ドサッ。
お風呂に入ってスッキリした後、あたしは自分の部屋に入るなり、背中から思いきりベッドに倒れた。
「……ん?」
なんか、踏んだ?
背中に覚えた違和感に、すぐに身体を起こす。