そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
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教室に戻ると、なずなが走ってあたしの元へとやってきた。
昨日メッセージで報告してたから、もうあたしと怜佑のことは知ってるのに。
言葉でちゃんと『おめでとう』って伝えたかったんだって。
……というか。
「なずな。目、どうしたの?」
なんか真っ赤になってる?
いつもはパッチリとした二重も、ちょっと腫れてるような気がするし。
気になって訊ねると、目の前の身体がピクっと縦に反応した。
「えっと、これは……。昨日梓ちゃんからのメッセージ見た時、嬉しくてたまらなくなって……」
「えっ……」
ほんのりと頬を染めて言ったなずなに、あたしは一瞬言葉を失う。
だから、泣いてくれてたってこと?
そういうことなの?