そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
……あ。リモコン。
あたしは布団の下から出てきたそいつを手に取り、テレビに向けてボタンを押した。
『バレンタイン特集!』
電源がついた瞬間、聞こえてきたのはそんなフレーズだった。
もうすぐ2月14日。
そのせいか、最近じゃ毎日のようにその単語を耳にしている気がする。
学校へ行けば、女子も男子も、みんなこの日を意識してるのが丸わかり。
もちろん、あたしだって……。
──ドクン。
「……そうだ」
この時あたしの中に、あることが浮かんだ。
拳を握りしめる。
瞼を閉じ。
鼻からゆっくりと息を吸って、吐いて。
きゅっ、唇を結ぶ。
2月7日、木曜日。
バレンタインデーまで、あと7日。
──あたし……あたし……っ。
一気に目を見開いた。
──怜佑に告白する!!