そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「ふふ、なんでもないっ」
そんなこと、今のあたしには一切関係ないんだ。
〝怜佑が心配してくれてた〟
その事実があまりに嬉しすぎて。
思い出しては胸が張り裂けそうで。
とにかく、今は何も考えられないくらいに、心が幸せでいっぱいなんだもん。
「はぁ? ……ってか、さっきのなんなん。俺に聞かれたらマズいことやったんちゃうやろなあ」
「別に、そんなことないけど」
「やったら教えてくれるよな?」
「それはいやー」
2月8日、金曜日。
バレンタインデーまで、あと6日。
やっぱりあたしは、
怜佑のことが好きみたい。