そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~


「……まあ、なるべく早くならいいけど」


ほらきた〜!

更に隠そうともしないから、見てるこっちが照れちゃうんだよね。


……でもちょっとわかるな。


「あ、あのっ、二人とも何言って……」


こんなピュアピュアの顔見たら、誰だってキュン確定。

ああ、この子は自分が守ってやらなきゃって絶対思っちゃうもん。


「何か問題?」

「だって私、も、物じゃないよ……」

「けど、一ノ瀬は俺のでしょ」

「……っ」


さっすが王子……。

サラリと言ってのけた彼に思わず感心する。

……と同時に。

あたしの隣で真っ赤になるなずなを見て、つい羨ましいだなんて思ってしまったんだ。


あたしもいつか怜佑と──。

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