そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「怜佑ありがとー!」
「はしゃぎすぎやろ。2種類食べられるんがそんなに嬉しいんか……」
「あのっ、これとこれください!」
呆れる怜佑をよそに、あたしはルンルン気分でモンブランとショートケーキを注文する。
あー、楽しみだなぁ。
抑えようとしても、勝手に上がる口角は止められない。
……でもね、怜佑。
これだけは言わせてよ?
あたしがこんなにも嬉しいって思うのは、アンタが思ってるそんな理由じゃないんだからね。
〝食い気ばっかりやったらモテへんで〟
その時、微かにそんな耳を疑うような言葉が聞こえた気がしたけど。
……今日は特別。
聞かなかったことにしてあげる。