そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~


***



「お待たせ〜」


必要な材料とラッピング用品も買えたし、大満足。

先に買い物を終え待ってくれていたなずなのところまで、あたしはルンルン気分で走っていった。


「梓ちゃん、たくさん買ったんだね」

「うん。家族とか友チョコ用とかも買ってたら、いつの間にかこんなことになっちゃって……」


ちゃんと大きめのエコバッグ持参しててよかったー。

お世話になってる先輩だったり、クラスメイトにもやっぱりあげないとなって思ってたら、ついついカゴの中がいっぱいになっちゃってたんだ。


みんなには、オーソドックスなチョコトリュフを。

それから怜佑には……特別。初めて作る〝アレ〟を贈るんだ。

良さげなレシピもバッチリ見つけたし、あとは練習するだけ。

上手くできたらいいな……。


「ふふっ。楽しみだねー、なずな」

「ね! 喜んでくれたらいいね」

「うん! ……あ、そうだ。これからどうする?」

「んー、どうしよう」


時計を見たら、もうすぐ14時になっていた。

このまま帰るのもちょっと寂しいし。

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