そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
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「お待たせ〜」
必要な材料とラッピング用品も買えたし、大満足。
先に買い物を終え待ってくれていたなずなのところまで、あたしはルンルン気分で走っていった。
「梓ちゃん、たくさん買ったんだね」
「うん。家族とか友チョコ用とかも買ってたら、いつの間にかこんなことになっちゃって……」
ちゃんと大きめのエコバッグ持参しててよかったー。
お世話になってる先輩だったり、クラスメイトにもやっぱりあげないとなって思ってたら、ついついカゴの中がいっぱいになっちゃってたんだ。
みんなには、オーソドックスなチョコトリュフを。
それから怜佑には……特別。初めて作る〝アレ〟を贈るんだ。
良さげなレシピもバッチリ見つけたし、あとは練習するだけ。
上手くできたらいいな……。
「ふふっ。楽しみだねー、なずな」
「ね! 喜んでくれたらいいね」
「うん! ……あ、そうだ。これからどうする?」
「んー、どうしよう」
時計を見たら、もうすぐ14時になっていた。
このまま帰るのもちょっと寂しいし。