そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「カフェでも行く?」
「うんっ」
というわけで、あたしとなずなは近くにあったカフェに入ることにした。
初めて入ったそのカフェは、大きなソファーが並ぶ昔ながらの雰囲気が漂うお店だった。
「ねぇねぇ、なずなはさぁ、ちゃんとテスト勉強やってる?」
頼んだパフェを待つ間、あたしはふと思い出したことを尋ねた。
実は、あと10日程で期末テストがやってくるのだ。
バレンタインバレンタイン言ってるあたしだけど、現実はそう甘くない。
本当なら思いっきりチョコ作りに打ち込みたいところなのにな。
そのせいでどうしても常に全力投球、とはいかないのが悲しい現実というやつだ。
「一応は……。でも今回平均取れるかちょっと怖いなー。物理がね、全然わからなくて」
「わかる。今回の範囲難しいよねー」
頭がいい人って、ほんと羨ましい。
帰国子女の王子は毎回英語で満点取ってるらしいし、怜佑もなんだかんだ理数系得意でいっつも高得点取ってるし。
あたしは現文と古典ならまだ少しは自信あるけど、それ以外はちょっと自信ないっていうか……。