そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「食べてくれるの?」
「……まぁ、ちょっとやったら実験台になったってもいいで」
ニカッと笑った怜佑にあたしは瞬きをする。
「いいの?」
「おう」
……そっかぁ。
怜佑、食べてくれるんだ。
「んふふ」
なんか嬉しいかも。
──はっ。
「やっぱだめ!」
「はあ?」
〝上手くいったら食べて〟
重ねてあたしがそう言うと、怜佑は呆れたようにため息をついた。
「見栄っ張りやなあ、お前」
見栄っ張り。
アンタにはそう見えるかもしれないけど、
違うよ怜佑。
あたしは見栄なんか張るつもりなんて全くなくて。
ただアンタに、あたしが満足のいくものを食べてほしいなって、思っただけなんだから。