そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
ライバル
*
──キーンコーンカーンコーン。
「はい、今日はここまで。次回132ページから始めるので、予習しておくように」
なずなとバレンタインの買い出しをしてから、3日が経った。
昨日は祝日で学校が休みだったから、ちょっと久しぶりの授業を受けたせいか、まだ1時間目が終わったところなのに欠伸が出そうなほど眠い。
いや……それだけじゃない。
こんなにも眠いのは、昨日遅くまで〝お菓子作り〟に勤しんでいたせいだ。
一先ずテスト勉強を済ませてから、怜佑にあげる予定のそれの試作品を作ってみたあたし。
だけどなかなか思うような出来にならなくて、試行錯誤を重ねるうちに随分な時間になってしまってたんだ。
……でも。
ついに、出来たんだよね。
これだったら、怜佑も〝美味しい〟って言ってくれるに違いない物が。
ってことで、あとは練習の成果を発揮するだけ。
これで想いを伝えたら、きっと怜佑のヤツだって……!
ふふっ、ふふふふっ。