そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「……で、そんなん訊いてなんかあったん?」
「いえ、ただのアンケートですっ」
「そー?」
……そっか。
怜佑は〝さっぱり〟みたいな顔してるけど。
あたし、わかっちゃったよ。
『梓先輩と滝川先輩って、付き合ってたりするんですか?』
たぶんだけど。あの時美保ちゃんが尋ねてきた、その意味が。
「今日も部活、応援してますね」
「おう、活躍するから期待しといて」
続くやり取りを背に、あたしは急いでポケットからスマホを取りだす。
この前なずなが教えてくれたんだ。
『バレンタインに渡すお菓子にもね、それぞれ意味があるんだって』
って。
それを、美保ちゃんが知ってるとしたら……?
ドクン、ドクン、と心臓が騒ぎ出す。
全身の毛穴から汗が吹き出るような感覚の中、ひたすら画面をタップする。
「っ」
やっぱり、そうだったんだ。