そんなアイツが好きだから～幼なじみと恋の決戦～

「もうバレちゃってますよね、私の気持ち」

「……うん」


──ああ、そっか。


自信たっぷりなその目に、気づかされる。


この子、あたしに自分の気持ちがバレることを怖がってない。

……というよりむしろ〝知ってほしい〟そう言ってるんだ。



「では、そういうことなんで。応援お願いしますね」

「待って」


ひらひらと振られた手。

あたしはその手を掴み、動き出した足を引き止めた。


「あのね、美保ちゃん」


そして、大きく息を吸い込む。


言わなきゃ後悔すると思ったから。

真っ直ぐな思いに、逃げてばかりの自分が恥ずかしく思ったから。


……理由なんて、正確にはわからないけど。


「あたしも好きなの、アイツのこと」


その時あたしは、そんな言葉を口にしたんだ。