そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「梓ちゃん、おはよう」
「なずな〜おはよ!」
もやもやとしているところに、明るい声が響いた。
なずなの声は不思議。
一気にあたしの心を照らしてくれるんだから。
「滝川くんは、一緒に来なかったんだね」
「いやあ、それがさ……」
わけを話すと、なずなは自分のことのように切ない顔をした。
「……もういいの、アイツはほっといて先に他のみんなに配るから」
「うん、そうだね……!」
というわけで、机に荷物をおいてなずなと一緒に紙袋を持ったあたし。
なずなと友チョコ交換をしたあとは……
さて、ナツから渡そうかな〜。
鼻歌交じりに一つ袋を掴んだところで、そういえばと思い出した。