そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
授業が始まってからちらっと横目で見たアイツは、誰がどう見てもそう答えるだろう仏頂面で。
休み時間がきても、ずーっとそんな感じだった。
だから一応謝ってみようかと近づいたら、怜佑のヤツあたしの気配を察知したのか逃げるように教室を出ていって……。
また2時間目の授業が始まり、今は2回目の休み時間に突入したんだけど。
見るからに話しかけるなオーラが放たれてて近づくに近づけないのよね。
……とまあ、事態はかなり最悪なのだ。
「はぁ」
せっかくのバレンタインなのに。
なんでこんな日にこうなっちゃうかなぁ……。
「梓ちゃん大丈夫?」
「っ! うぅぅ〜なずなぁ」
うわーーーんと、あたしは目の前に降臨した天使に泣きついた。