そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「ごめん、ナツ。なんか怜佑、あたしに怒ってるみたいで……」
巻き込んじゃったみたいで申し訳ない。
そう思って、しゅんとまつ毛を伏せたその時──。
「梓ちゃん!」
「えっ!?」
「吉野くんちょっとごめんね」
突然あたしの手を取り叫んだなずなに、目を見張る。
「梓ちゃん、こっち来て」
「う、うん……」
あたしは促されるまま、なずなの後を着いていった。
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