ケーキ屋の彼

柑菜は自分の部屋に行き、スケジュール帳を開く。


そして、10月23日に二重丸を書き込んだ。


まだまだ先の予定なのに、柑菜は今からそれが待ち遠しくてたまらないようで、スケジュール帳を見てにやけてしまう。


しかも、自分の大好きなチョコレート。


そこにチョコレートはないのに、柑菜はその香りを想像の中で楽しんでいた。


甘くて苦い、チョコレートを。


すると、再び柑菜の携帯が鳴る。


先ほど送った質問の答えが記されてあるのかと思うと、柑菜の心臓の鼓動が一気に早くなった。


緊張しすぎで震える手で携帯を持つと、そのメールを確認した。


その文を見た瞬間、柑菜はベットにダイブし枕に顔を押し付ける。


感情を抑えられない柑菜は、ベットの上で脚をバタバタさせ、身体全体でその気持ちを表現していた。
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