ケーキ屋の彼

時計は11時40分を指していた。


話をしたことで2人の作業が同時に中断したということで、2人はランチを食べに行くことにした。


「本人に聞いてみましょう、それが確実だわ」


「うん、そうだね」


2人がちょうど、校舎から外に出た時、2人のよく知っている姿が現れる。


「亜紀ちゃん……」


「今からお昼?」


柑菜が本当のことを知っているとは思っていない亜紀は、いつも通り明るくはつらつとした口調で2人に話しかけた。


柑菜は笑顔を浮かべるも、『顔、引きつっていないよね?』と心配をする。



「亜紀ちゃんも食堂行きましょう」


「うん、じゃあ行こうかな」


櫻子は、2人に話す機会を持たせたいと思い、沈黙が流れても気まずい雰囲気にならないよう人が行きかいざわめきのある食堂に亜紀を誘った。


柑菜は櫻子が亜紀を誘った瞬間戸惑うも、静かすぎる校舎内よりはまだ食堂のほうがいいと思った。
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