ケーキ屋の彼

芸術性の高い人々が通うこの大学は、その学祭も芸術性強く、どの時間帯に来てもなにかしらのクラシック音楽のコンサートが開かれており、また、廊下にはまるでプロが作ったかのような作品が並べられている。


モナリザ柄のクッキーがあったり、ときには楽器の一部分が売っていたりと、さすが芸術系の大学だと思わせる。


それに、音楽も美術もクオリティが非常に高い。


「私喉乾いたから、なにか飲むもの買いたいな」


「それなら、さっきすごく綺麗なブルーの飲み物がどこかで売ってたわ」


それは櫻子が、歩いているときにたまたま見つけたもの。


櫻子もそれを見て『飲んでみたいわ』とその時からずっと思っていた。


「そういえば、秋らしい赤色やオレンジ色の飲み物もあったような……」


柑菜は、きっと色とりどりのカクテルのようなものがあるんだなと想像する。


人ごみをかき分けながらそのお店を見つけて歩き回る。


その後無事その売り場を見つけて、あとは特別になにをするわけでもなく2人は学祭を楽しんだ。


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