ケーキ屋の彼

「なんで今日は3人なのかしら?」


櫻子と柑菜は、ある秋の休日に大学近くにあるお洒落でレトロなカフェのパンプキンパイを食べに来ていた。


しかし、そこには空の姿もある。


「いいじゃないか、僕も土橋さんと友達になったんだから」


「あら、そう」


冷たい声で短い返事をする櫻子に、まあまあと宥める柑菜。


「それより、2人が幼馴染だなんて、びっくりだよ」


「小さい頃の櫻子のほうが可愛かったんだよ」


「それはどう言う意味かしら?」


柑菜は2人の様子を見ると、つい笑いが出て来てしまった。


それに、いつもは見ることのできない櫻子の様子が柑菜には別人のように目に映る。


暫くすると、焼きたてのパンプキンパイが運ばれてくる。


さっきまで無表情だった櫻子の顔は、それを見ると笑顔を咲かせた。


それにプラスしホットのダージリンティーも。
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