ケーキ屋の彼
12月23日、昨日で授業も終わり、柑菜は1人街を歩いていた。
明日のクリスマスパーティーと、秋斗へのプレゼントを買いに。
「渡辺くん?」
柑菜の目の前を、柑菜の知っている男の人が横切る。
「柑菜さん」
柑菜の声に気付いた空は、その足を止め柑菜の顔を見た。
あれから、柑菜はきちんと空に自分の思いを伝え、空はその思いをきちんと理解した。
だから、今2人の間に気まずいものはない。
むしろ、櫻子と空と柑菜の3人は仲が良い友達同士になった。
もちろん、空も明日のクリスマスパーティーに来ることになっている。
まだ美鈴や涼達と会ったことはないが、みんなそれぞれ多くの人がいた方が楽しいということで、誰でも参加可能ということになっていた。
「もしかして、プレゼント買いに?」
「うん、そう。柑菜さんも?」
まだ2人とも手には何も持っていなくて、これから買いに行くようである。