ケーキ屋の彼
「プレゼントはツリーの下でいいかしら?」
「うん!」
土橋家に飾られてある白いクリスマスツリー。
それは、一本一本の先端が7色の光を放つ。
紫、赤、黄色、緑と交互に変化していく光。
今はまだ外が明るいためにイルミネーションには時間が早いが、夜になる頃にはこのツリーもより綺麗に見える。
そのツリーの下に、みんなはそれぞれ自分が買ってきたプレゼントを置いた。
大きなものや小さい箱のもの。
プレゼントは毎年くじ引きで決めており、誰に誰のものが当たるのかはその時まで分からない。
それは、毎年の3人の楽しみでもあった。
柑菜と亜紀は料理を、櫻子は料理が苦手なために涼と空と3人で飾りを担当することになった。
「柑菜、あの3人で大丈夫かな?」
「……亜紀もなんとなく気付いてた?」
「ここに来るまでの渡辺くんの態度とか、今までの涼くんと櫻子とか、あとは櫻子の初恋の相手の特徴とか……」
亜紀も柑菜と同じように、櫻子のことをよく見ていた。