ケーキ屋の彼
今日のランチは、鮭のムニエル。
これに、食堂のスープ部門2番人気のコーンスープとライス、小さめのサラダがついている。
3人はそれぞれ、これにプラスし、櫻子は夏ミカンソースのパンナコッタ、柑菜はイタリアンプリン、亜紀はフルーツヨーグルトを選んだ。
そんなランチを目の前に、話は広がりを持つ。
「それで、その人とは話したりするの?」
亜紀は、2人の恋の模様が気になるのか、質問を続けた。
「それが……まだプライベートな話はしたことなくて」
伏せた目に、いつもよりも小さな声。
明らかに自信がない雰囲気を醸し出している柑菜の姿を見て、2人はどうしようかと悩んでいた。
「とりあえず、『今日はいい天気ですね』くらい話しかけたら?そんなに特別な内容じゃなくてもいいと思う」
亜紀は、積極的に柑菜にアドバイスをする。
どうやら、柑菜の恋を応援しているようだ。