ケーキ屋の彼
「一旦休憩しない?」
装飾チームの櫻子が、料理チームの2人に話しかける。
料理に集中していて部屋の中をあまり見ていなかった2人は、その視線を飾りに移した。
いつもの殺風景な家の中が、カラフルな色によって活気を見出し、またシンプルだったクリスマスツリーも、可愛らしくなっている。
「わあ、すごいね」
「柑菜ちゃんたちも、お料理美味しそうだわ」
3人は、2人の料理をする姿を見ながら、そしてお腹を空かせながら装飾をしていた。
「なんか食べないか?」
ちょうどおやつの時間である午後の3時に、涼がそう言う。
柑菜と亜紀は、多めに作ったクッキーを食べようと3人に提案した。
「まあ、いいわね」
他の2人も、うんと首を縦に降る。
柑菜はお皿にクッキーを盛り付けると、それをテーブルの上に置いた。
亜紀はみんなの分の飲み物を用意した。