ケーキ屋の彼
「そろそろ、時間も遅いしお開きにしましょうか」
パーティも時間が大分経ち、時計は夜の10時を指していた。
「そうだね、明日は明日で用事がある人もいるもんね」
美鈴がそういうと、みんなは秋斗と柑菜をニヤニヤとした表情で見ている。
柑菜と秋斗は、そのみんなの視線から逃れるように2人目を合わせて苦笑いを浮かべた。
「じゃあ、最後に写真撮りませんか?」
空は携帯を手に、みんなを並ばせる。
秋斗の隣には、もちろん柑菜の姿が。
いつもは触れない距離にいるけれど、今は腕と腕が触れて、なんだかそこが熱く感じる柑菜。
「じゃあ、ボタン押して10秒後に!」
空は、そういった瞬間素早くみんなの元へ行く。
「じゃあ、また来年」
「うん、じゃあまた来年」
写真も撮り終え、柑菜と涼はみんなを玄関の外まで送る。
見えなくなるまで、2人は4人に向かって手を振るのであった。