ケーキ屋の彼
「じゃあ、弟くんは、絵画専攻なんだ、すごいね、相当実力あるってことだ、私たち教育と比べて」
「いや、そんなことは」
「いえ、凄いわ」
いつの間にか、話の中心は涼になっていて、大学の専攻の話で盛り上がっていた。
柑菜は、みんなの残り少ないカップの量を見て、「何飲みたい?」と聞く。
結局、お菓子に合うということで、紅茶とコーヒーの2つを用意することにした。
柑菜は、キッチンから3人の姿を見る。
自分の友達と弟がこうやって話をしているのを見ると、なんだか変な気持ちになるな、と柑菜は微笑ましくなった。
柑菜は、そういえばと思い出し、駅前のデパートで以前に買って来たチョコレートを用意した。