ケーキ屋の彼
四角や丸、白やピンクに緑、そしてお馴染みのチョコレート。
小さなチョコレートが、上品な入れ物に綺麗に並べられてある。
それを、テーブルに置いた。
「みんな、チョコレートどうぞ」
それを見た櫻子と亜紀は、「わあ」と小さく声をあげた。
「これ、遠慮せずに食べてね」
「ありがとう」
2人は、ひとつ手に取り、口に含んだ。
「美味しい」
4人は、その後もチョコレートやクッキーを食べながら大学の話で盛り上がり、結局恋愛の話をほとんどすることのないまま、夜になってしまった。
「今日はありがとう」
「ぜひまた来てね、絶対よ」
柑菜は、2人が来たのが本当に嬉しかったのか、強い口調でそう言った。
2人は、そんな柑菜を見て笑っている。
「私の家にもぜひまたいらっしゃって、もちろん涼くんも」
櫻子の言葉に、柑菜と亜紀は「うん、もちろん」と返事をした。
そして「お邪魔しました」と言う櫻子と亜紀を、柑菜と涼は玄関で見送る。
こうして、4人のティータイムは幕を閉じた。